2005年11月30日

精神衛生。

分子生物学という学問がある。
分子レベルから生命現象を明らかにする学問なのだが、
現在は一連の遺伝子操作に関わる学問と理解されることが多い。
DNAの構造が明らかになってから生まれた学問で、
確立されてから未だ数十年という若い学問である。

現在この分子生物学にたずさわる者は、
少なくとも以下の2つの技術は必ず身につけているはず。

1.プラスミドベクターと呼ばれる円形のDNAに、
  自分の増やしたいDNA断片を挿入し、そのプラスミドベクターを
  大腸菌に組み込んで大量に遺伝子のクローンを作製する、
  クローニングと呼ばれる技術。
  (クローン羊やクローン牛の作製とは異なる)

2.熱耐性のDNA伸長酵素を用い、短時間で目的のDNA断片を増幅させる、
  PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)と呼ばれる技術。
  犯罪捜査やウィルス検査でも活躍する画期的な技術である。

この2つの技術は様々な遺伝子操作の基本中の基本であり、
また現在の全ての遺伝子操作はこの二つから始まると言ってもいい。

ワタクシも分子生物学にたずさわって早10年。
上記の技術は完全にマスターしているはずなのだが…
ここ2週間ほど、とある遺伝子のクローニング(1)に苦労している。

*通常クローニングの際に用いられるプラスミドは、
 目的のDNA断片を挿入した状態で約3,000塩基から10,000塩基程度。
 これより大きいモノになると、
 「イヤン、バカン、そんな大きいのアタシ無理」ってな具合で、
 大腸菌が遺伝子を受け入れてくれる確率がグッと下がる。
 現在、ワタクシが作製しようとしているプラスミドは約13,000塩基
 確かに一筋縄ではいかない大きさではあるのだが…

考え得るトラブルシューティングはほぼ全て行ったが、
どうにも思ったようにいってくれず。・゚・(ノД`)・゚・。
こういった基本中の基本で引っかかっている状態は、
精神衛生上、非常にヨロシクない。
寝酒を呑むもなかなか寝付けず、疲労も抜けないここ数日。
久々にグリシンドーピングに頼るとするかぁ…
posted by JASPER-RX at 23:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
グリシンかぁ・・・。試薬ビンに入ってる結晶を飲むって勇気要りますよね。
Posted by べれと at 2005年12月01日 22:58
ま、純度はあくまでも99%程度ですからね。
残りの1%を考えると確かにコワイ。
Posted by JASPER-RX at 2005年12月01日 23:13
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