2007年08月21日

寒々しさ。

週末に暑さが一段落ついたかと思いきや、
週が明けたとたんにまた猛暑。
勘弁してよ、もう。

とまぁ、世間は異様な暑苦しさに悩まされているが、
世の理系研究者にとっては寒々しいニュースが。

"文科省、即戦力の博士養成・500人を就業体験に派遣"

 文部科学省は2008年度から産業界と連携し、理系の博士課程の学生やポストドクター(博士研究員)を企業へ長期間派遣する「博士版インターンシップ」を始める。コミュニケーション能力や商品開発など事業につながる知識を獲得してもらい、即戦力の研究者を育成する。初年度は約500人派遣する計画。博士の高い専門知識を競争力向上に結びつける狙いだ。
 政府は科学技術立国の要として理系博士号取得者数を増やすとしており、毎年約6000人の理系博士が誕生している。しかし就職難の状態。日本経団連の調査では企業の技術系採用者に占める博士は2.9%。専門知識を評価する一方、コミュニケーション能力や協調性の欠如などを敬遠理由に挙げている。

このニュースの何が寒々しいって、
理系博士はコミュニケーション能力や協調性が欠如していると、
ほぼ一括りにされて企業に敬遠されていると云うこと。

現在の30代半ばから20代後半の、バブル崩壊後に
学位を取得した博士は玉石混淆なのは確かだけれど。
「就職活動に失敗したから院に進んだ」
こういったハンパな人間が、政府が見切り発車で主導した
実のないポスドク倍増計画に乗せられて、
数年後に錦の御旗のごとく学位を振りかざして
就職活動を再開するのだから、
企業が博士の求人を躊躇したくなるのも理解は出来る。

でも逆に言えば、そういう人間は最初の就職活動の時点で
コミュニケーション能力・自己プレゼンテーション能力に
難があったとも言えるよね。
そういった人間とまともな研究者を一括りにして、
「理系博士はコミュニケーション能力に欠ける」
と一般論のように語ったり判断するってのはどうなのよ。

研究成果の発表でプレゼンテーション能力を問われるし、
普段の研究だって本来はチーム戦であって、
研究者同士のコミュニケーションを大いに必要とされる。
優秀な研究者でありながら対人関係障害を患った
人間なんて、そうそういない。
ましてや都市伝説として語られるような
マッドサイエンティストなんて今時皆無だよ。

政府や経済界の失態で生まれた一握りの似非ドクターを、
理系博士の代表的人格のように喧伝しておきながら、
昨今の「理科離れ」を嘆く政府・報道・経済界には、
一個の理系博士として悔しさに似た思いがしてならない。
posted by JASPER-RX at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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